気まずい雰囲気が流れている。
現在いるのは『ミセスドーナツ』。通称ミセド。
机にはミセドのドーナツ。
目の前には愛内都ちゃん。


「さー吐け。今すぐ吐け」


都が黒いオーラを纏い、黒い笑みで、黒い言葉を吐く。

私は冷や汗を掻きながら、オレンジジュースをただひたすらに飲み続ける。
しかし、所詮は量の決まったもの。
酷い音を立てて、底ついた。


「香菜ちゃん」

「はい…」


そして、都の圧力に耐え切れなくなった私は誰にも言わないことを約束させて、都に全てを話した。


「はっしー…?まじ?」

「まじ‥です」


都が茫然と私を見つめる。
その視線が痛いよ〜


「そりゃ…軽々しく言えないわな。いつから?」

「最近気が付いたの…かな?」

「私に聞くな」

「はい‥」


居た堪れなくなり、段々と声が小さくなっていく。
ただでさえ恋バナとは程遠いところにいたのだ。
こそばゆいったらありゃしない。

ちらりと都に視線を遣ると、都がにやりと笑った。


「そっか、そっかー!はっしーかぁ。香菜がはっしーをねぇ」

「ぅ…悪い?」

「別にィ」


顔を真っ赤にして言う香菜に、都はにたにたと笑いながら言う。


「今日の日本史、よかったね」

「まぁ…ね」


くすぐったい気持ちを治めようとドーナツに手を伸ばし、一口かじる。
そして都を見ると、嬉しそうにこちらを見ていた。


「…なぁに?」

「香菜、応援してるよ」


香菜は瞳を軽く見開き、嬉しそうに笑みを浮かべた。


「ありがとう、都」












---コメント---
第3話です!
今回は友情がテーマ?っぽくなってます。
ちょっと短め(かなり?)な感じですがご了承ください;;
このシリーズは多分1話1話が短めになりそうです。
次回ちょっと進展します☆




2007.5.13

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